先週は、ぐるなび、食べログ(カカクコム)の決算発表がありましたので、そちらの動向も記載しています。やはり20代以下のグルメ媒体離れは進んでおり、この辺りの対策を今のうちからしっかりと行っていくことは必要でしょう。また、ニーズの多様化や他業種の競合化、原価の高騰と複雑な環境変化が起きています。情報を集め、短期的、中期的、長期的な市場変化の予測をしながら適時対策を打つ必要があるでしょう。

・東京都のターミナル駅及び繁華街における増減率(東京都都政企画局発表)

 先々週はゴールデンウィーク(以下GW)を挟んでいたこともあり人流が大幅に減っていましたが、先週は通常通りの曜日に戻っています。立川駅の15時台の人出を除き、ほぼ、GW前の状態に戻ったという感じです。
 違った動きをしているのは、立川駅(15時台)だけが順調に回復し、2020年1月の90%まで戻してきているのと新宿の21時台がGW中は伸ばしていましたが、その反動のせいか一気にまん防明け直後と同じくらいまで落としています。

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・(株)カカクコム(食べログ)2022年3月期 決算発表資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2371/tdnet/2116692/00.pdfIR・投資家情報株式会社カカクコムの投資家向け情報ページです。IRリリース、IRライブラリ、業績・利用者情報、株主・株式情報、IRカレンダcorporate.kakaku.com

 食べログ部分を抜粋

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カカクコム 事業別売上
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食べログ セグメント別売上

 2022年3月までのまん防下の影響がまだ残っている段階での数値なので、今後の動きを見ていかなくてはいけないと思いますが、ユーザー会員数はずっと減少しており、やはり以前のような集客力は見込めなくなってきているかと思います。

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食べログ 今後の取り組み

 今後の方針も有料会員が減っているにも関わらず、アプリユーザーの拡大を掲げていたり、集客パワーが弱っているのにもかかわらず、ネット予約での収益拡大を狙っているところが、相変わらず飲食店との利益相反を起こしており今後の成長が期待できなさそうです。この辺りの方針がぐるなびとの違いになってきました。

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食べログ 2022年3月期
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食べログ 2019年3月期

 利用者層の年代分布(上が2022年、下が2019年)を見てもらうと年代の区切りが違うので見ずらい面がありますが、若年層の比率がどんどん落ちてきており、若い年代ほど利用しなくなってきています。下記は年代の区分を合わせた表とグラフです。50代以上の利用者が増えたというよりも20代以下の利用者が減ったことによって構成が変わってきているといった感じです。

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食べログ 利用者年代構成

・ぐるなび決算発表 2022年3月期
https://corporate.gnavi.co.jp/ir/library/presentation.html決算説明会|株式会社ぐるなび株式会社ぐるなびの「決算説明会」をご紹介します。corporate.gnavi.co.jp

 かなり業績的には厳しい状況。加盟店からのストック型収入は84億と食べログ(約99億)に抜かれた。

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ぐるなび 連結損益計算書
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ぐるなび 売上推移

 まん防が終わり、今後楽天ポイントとの連携での効果がどれくらいでてくるか?は未知数ですが、それ以外の部分での集客力は厳しそうです。ただ食べログよりかは、色々と試行錯誤はしている感じはしています、以前のような金額の高い特集プランの販売は難しいと思いますので、送客費用以外の部分でモデルがこうちくできるか?が課題となるでしょう。

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ぐるなび サービスの絞り込み
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ぐるなび 新加盟プラン
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2022年3月期
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2019年3月

 利用者層は、食べログ同様に若い年代の比率が減っているが、減少幅は小さい。下記に比較した表とグラフを作りました。ぐるなびの変動幅が小さいことの要因の仮説としては
 ・そもそも利用者数が減っていた
 ・楽天会員からの流入で減少を食い止めることに成功している
といったところでしょうか?ただ言えるのは20代以下の利用は今後も減少していきそうだという事。恐らくこれは上の年代への徐々に浸透していくでしょう。集客ルートの変化に対応をしていくことが必要でしょう。

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食べログとぐるなびの顧客層比較

・≪国内外のウェルネスフード産業に精通する食品コンサルタント 武田猛 監修≫ 54の素材・成分、47のヘルスベネフィット を網羅 『ウェルネストレンド白書 Vol.2』発刊
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000079676.html≪国内外のウェルネスフード産業に精通する食品コンサルタント 武田猛 監修≫ 54の素材・成分、47のヘルスベネフィット を網羅 『ウェルネストレンド白書 Vol.2』発刊一般社団法人ウェルネス総合研究所のプレスリリース(2022年5月10日 10時00分)≪国内外のウェルネスフード産業に精通prtimes.jp

 今後予測されるヘルス・トレンドシナリオを洞察した調査レポートを5/31に発刊するようです。
 7つの健康セグメントごとに、健康生活度、認知素材数、健康情報源について定量分析を行なっています。トレンドワード、ヘルスベネフィット、素材・成分の認知、理解、関心、摂取意向の認知ファネルを明らかにしています。
こういったセグメント分けができるのですね。”健康意識が高く健康情報源ではほぼ同じ「健康ストイック層」と「健康コンシャス層」だが、普段アクセスしているデジタルメディアには違いがあることが伺えたと”いうのも面白いですね。 

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健康ストイック層のアクセスするデジタルメディア
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健康コンシャス層のアクセスするデジタルメディア
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年代別各健康セグメントの構成比

 健康ストイック層のm年齢分布が50代以上が多いこともあり、ひと昔前のキュレーション文字メディアを見る人が多いという事なんでしょうね。


・【大人の食べたい叶えます】あの頃を思い出す夢の競演!かつや「大人様ランチ」新登場
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000594.000032350.html【大人の食べたい叶えます】あの頃を思い出す夢の競演!かつや「大人様ランチ」新登場アークランドサービスホールディングス株式会社のプレスリリース(2022年5月10日 10時00分) 大人の食べたい叶えますprtimes.jp

 この辺りのがっつり食べる需要を抑えるためのメニュー企画を常に発信しているのは見習いたいですね。

・フードデリバリー配達員が飲食店で気軽に休憩できるサービス「YUM JAM pass」始動
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000056779.htmlフードデリバリー配達員が飲食店で気軽に休憩できるサービス「YUM JAM pass」始動株式会社エニキャリのプレスリリース(2022年5月10日 14時00分)フードデリバリー配達員が飲食店で気軽に休憩できるサprtimes.jp

 株式会社エニキャリが運営母体の配達員の未来を創るプロジェクト「デリバリーCITY」は、合同会社YUM JAMと協業し、フードデリバリー配達員が休憩時間に客として気軽に飲食店を利用することができる配達員応援サービス「YUM JAM pass(ヤムジャムパス)」の提供を本日5月10日より開始しました。とのことです。アイドルタイムに配達員さんへ食事の提供することで店舗は売上は立ち、休憩場所を探している配達員さんにとっても優遇措置のついた料理を食べれるというのはなかなかいいアイデアですね。

・てんや天丼30円、ロイホ黒x黒バーグ110円、値上げ。主力をいじった。
https://www.foodrink.co.jp/news/2022/05/1375217.phpてんや天丼30円、ロイホ黒x黒バーグ110円、値上げ。主力をいじった。ロイヤルフードサービス株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:生田 直己)が、「天丼てんや」で6月16日より、「ロwww.foodrink.co.jp

 原価高騰を見据え、各社値上げに踏み切り始めていますね。


・バーガーキング® がじゃがいも不足の危機を “おやつカンパニー”の協力で回避!キングバリュー9種のフレンチフライを『ベビースタードデカイラーメン』に無料で変更できる『だいたいポテトセット』を発売!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000038980.htmlバーガーキング® がじゃがいも不足の危機を “おやつカンパニー”の協力で回避!キングバリュー9種のフレンチフライを『ベビースタードデカイラーメン』に無料で変更でき…株式会社ビーケージャパンホールディングスのプレスリリース(2022年5月11日 11時00分)バーガーキング(R) がじゃprtimes.jp

公式Twitter投稿にて、フレンチフライの代替品として新たなサイドメニューをご提案いただける企業・団体を募集から始まった企画です。この辺のやり方は学びたいものです。

・飲食店M&Aの売却相談数がコロナ禍で150%以上の伸び
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000481.000001049.html飲食店M&Aの売却相談数がコロナ禍で150%以上の伸び株式会社シンクロ・フードのプレスリリース(2022年5月13日 16時00分)飲食店M&Aの売却相談数がコロナ禍でprtimes.jp

飲食店のM&Aが活発なようです。まん防明け後の動きをみてまた更に動きが活発になりそうな気がします。

・“都の時短命令は違法”グローバルダイニングの訴えを認める一方、 賠償請求は退ける 東京地裁
https://news.yahoo.co.jp/articles/8039325864916417765e8ac0e403c43eec024adb“都の時短命令は違法”グローバルダイニングの訴えを認める一方、 賠償請求は退ける 東京地裁(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュース 緊急事態宣言中の時短営業命令が違法だとして飲食店グループが東京都に賠償を求めていた裁判で、東京地裁は請求を退けた一方、時news.yahoo.co.jp

・従業員への「マスク着用推奨」取り止め 外食大手「グローバルダイニング」が発表
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bb82c0813f4fb69f9a1c6cad3382225666c29a3従業員への「マスク着用推奨」取り止め 外食大手「グローバルダイニング」が発表(J-CASTニュース) – Yahoo!ニュース 大手飲食チェーン「グローバルダイニング」は2022年5月13日、従業員へのマスク着用の推奨を取り止めると発表した。news.yahoo.co.jp

 グローバルダイニングさんが時短命令での訴えを認めさせたというニュースもありましたが、それとは別に従業員への従業員へのマスク着用の推奨を取り止めると5/13に発表しました。どこかのタイミングで切り替えていかなくてはいけないのですが、なかなか同調圧力の大きいなかで踏み切れない中、先陣を切って進めていただけるのは個人的にはありがたいし、応援したいです。

・ワタミ、3期連続で次年度予想「未定」。宅食が頼みの綱
https://www.foodrink.co.jp/news/2022/05/1783731.phpワタミ、3期連続で次年度予想「未定」。宅食が頼みの綱。●宅食で利益50億円も。www.foodrink.co.jp

 売上高643億62百万円、5.8%増。営業赤字35億77百万円、前年は赤字96億89百万円。雇用調整助成金等の収入53億11百万円を営業外収益に計上し、経常利益26億65百万円となった。前年は赤字81億71百万円。しかし、不採算店舗として29億24百万円を減損処理し、最終赤字18億44百万円となった。前年は赤字115億61百万円であり、20年3月期から3期連続の最終赤字。との事
 セグメントとしては宅食事業は約51億円の利益と好調ですが、外食事業が約69億円の赤字でした。また、業績予想の合理的な算定が困難として、23年3月期の業績予想を未定としたおり、まだまだ先が見えないと予測しています。

・【繁盛店応援セミナー】デリバリーノウハウ&最新ITシステムを使ったアフターコロナの新飲食店経営スタイルを伝授!【NEW FOOD FAIR 2022】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000494.000014510.html【繁盛店応援セミナー】デリバリーノウハウ&最新ITシステムを使ったアフターコロナの新飲食店経営スタイルを伝授!【NEW FOOD FAIR 2022】株式会社Globridgeのプレスリリース(2022年5月16日 11時50分) 繁盛店応援セミナー デリバリーノウハウ&prtimes.jp

 株式会社Globridgeの代表取締役 大塚誠は、2022 年5月25日(水)26日(木)に開催される「NEW FOOD FAIR 2022」内「繁盛店応援セミナー」にて、アフターコロナの新飲食店経営スタイルをテーマに講師として登壇いたします。二日間にわたり、デリバリー運用ノウハウや、飲食店向け最新ITシステムについて惜しみなく伝授いたします

・ドミノ・ピザ 「デリバリー最低注文金額」完全撤廃から2年“ドミノのデリバリー革命”がパワーアップした14日間!「デリバリー1枚買うともう1枚無料!」キャンペーンスタート!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000029053.htmlドミノ・ピザ 「デリバリー最低注文金額」完全撤廃から2年“ドミノのデリバリー革命”がパワーアップした14日間!「デリバリー1枚買うともう1枚無料!」キャンペーンス…株式会社ドミノ・ピザ ジャパンのプレスリリース(2022年5月16日 13時24分)ドミノ・ピザ [デリバリー最低注文金額prtimes.jp

 日常利用を増やしていくという事でデリバリーよりも安価で利用のできるテイクアウトの需要を広げていたイメージでしたが、恐らくまん防が明けデリバリー需要が減少してきたところで、再度需要の掘り起こしをしよう&配送員の落ちている稼働率の有効化といった施策かと思います。

・日本で繰り返すドーナツ人気「3つの大きな節目」日本のドーナツの歴史を変えたのはミスド
https://toyokeizai.net/articles/-/588439日本で繰り返すドーナツ人気「3つの大きな節目」 | 外食近頃、カラフルなフレーバーのバリエーションを並べるドーナツ店があちこちに誕生し、行列ができている。今回の流行は、ブリオッシtoyokeizai.net

 ドーナツの人気が上がってきているといった認識は持っていなかったのですが、Googleトレンドで調べると下記のようにまだ伸びてきていました。コンビニの参入の失敗は、ミスタードーナツの業績をみていると成長の余地はそんなにないと思っていましたが、やり方次第といったところですね。
 ただ、人気のお店もドーナツ単品の構成ではなく、サンドウィッチやパン、ドリンクなども組み込んでいるので単品での勝負はやはり危険なのでしょう。また一方でアメリカでは高カロリーフードとして嫌われ、需要を落としたドーナツですが、日本においてはそれをヘルシーに切り替えたり、SDGsに絡めるといった日本の得意な融合文化でより良いものにしています。
 一見ブームの終わった商品もこういった視点で見直すとチャンスがあるのかもしれません。

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googleトレンド ドーナツのボリューム推移

・ソフトバンクG出資のキトピ、外食需要期待でレストラン10数社に投資
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220510-67421595-bloom_st-bus_allソフトバンクG出資のキトピ、外食需要期待でレストラン10数社に投資 – ニュース・コラム – Yahoo!ファイナンス(ブルームバーグ): ソフトバンクグループが出資するクラウドキッチン(デリバリーサービスに特化した飲食業)の新興企業キト.finance.yahoo.co.jp

 キトピは昨年、ソフトバンクGのビジョン・ファンド2を含む投資家グループから4億1500万ドル(現在の為替レートで約540億円)を調達し、ユニコーンの地位に躍り出たゴーストレストラン企業です。
 世界的にオンラインのデリバリー注文が急増する中でも、ファストフードやカジュアルレストランの顧客の約2割は引き続き店舗に出向いて外食するとみているようで、大量に獲得した資金を元手に実店舗のレストラン投資にも向かっているようです。マーケットを幅広く抑えようとするとイートイン、デリバリー、テイクアウトといった感じで面で抑えていくことが必要なのかもしれません。


・おもてなしデリバリー「Wolt」 中京圏に初進出!2022年5月26日(木)より名古屋市でサービス開始!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000051508.htmlおもてなしデリバリー「Wolt」 中京圏に初進出!2022年5月26日(木)より名古屋市でサービス開始!Wolt Japan株式会社のプレスリリース(2022年5月10日 11時00分)おもてなしデリバリー[Wolt] 中京圏prtimes.jp

 デリバリー各社のエリア拡大が最近ありませんでしたが、woltはコツコツと広げている感じがします。今後のDoordashとの関係もありどうなっていくのか?はまだ見えていないです。